ECサイトを立ち上げる際、最初に多くの企業がつまずくのが「何を、どこまで決めてから制作を始めればいいのか」という点です。デザインやシステム選定ばかりに目が向きがちですが、実は事前の方針決定や要件整理が、成功・失敗を左右する最重要フェーズです。
特に中小企業では、担当者が他業務と兼任していることも多く、構築段階で「後から仕様を変える」「運用が回らない」といった問題が起こりやすいもの。こうしたトラブルを防ぐためにも、制作前に決めておくべきポイントを体系的に整理しておくことが欠かせません。
この記事では、ECサイトの企画から運用までを見据えた20のチェックリストを紹介します。
これらを一つずつ明確にしておくことで、制作会社とのコミュニケーションもスムーズになり、費用やスケジュールの無駄を大きく減らすことができます。

1. サイトの目的を明確にする
まずは「何のためにECサイトを作るのか」を明確にしましょう。
 売上拡大、既存顧客のリピート強化、認知拡大など、目的によってサイト設計は大きく異なります。
 目的が曖昧なままでは、デザインも機能もぶれてしまい、最終的な成果が出にくくなります。
2. ターゲット顧客を設定する
誰に向けて販売するのかを具体化することが重要です。
 年齢層・性別・居住地・購買動機など、できるだけ細かくペルソナを設定しましょう。
 例えば「20代女性×スキンケア初心者」と「40代男性×健康食品愛用者」では、訴求内容もUI設計もまったく変わります。
3. 競合サイトをリサーチする
競合他社のサイトを10社ほどチェックし、デザイン・価格帯・レビュー・キャンペーン動向を分析しましょう。
 強み・弱みを洗い出すことで、自社の差別化ポイントを見つけやすくなります。
特に「購入までの流れ」や「商品の見せ方」の工夫は、実践的なヒントになります。
4. サイトのタイプを決める
自社商品の性質に合わせて、どのタイプのサイトを構築するかを決めましょう。
自社EC(Shopify・Makeshopなど)/モール出店(楽天・Amazon)など選択肢があります。
自社ECはブランド強化に有利ですが、集客は自分で行う必要があります。
5. 商品ラインナップを整理する
売る商品をすべて登録すればいい、というわけではありません。
 主力商品・関連商品・セット商品を整理し、「どの商品から買ってもらうか」を意識した構成にすることが重要です。
6. サイト構成・ページ設計を考える
トップページ、カテゴリーページ、商品詳細、購入完了ページなど、基本的な構成を決めましょう。
 特に「どのページで離脱しやすいか」を意識すると、後の改善がスムーズになります。
7. コンテンツ企画を立てる
商品の魅力を伝えるためのコンテンツ(特集記事・ブログ・活用事例)を設計段階で計画しておくと、SEOにも効果的です。
 「買う前に知りたい情報」を先回りして用意しましょう。
8. ブランドメッセージを固める
企業や商品の「世界観」を言語化する工程です。
 デザイン・写真・コピーの方向性を統一することで、印象に残るサイトになります。
 「誰に・どんな価値を・どんなトーンで伝えるか」を明文化しておきましょう。
9. 使用するプラットフォームを選定する
Shopify、BASE、Makeshop、WordPress+WooCommerceなど、プラットフォームによって得意分野が異なります。
- デザインの自由度を重視 → Shopify / WooCommerce
 - 低コストで始めたい → BASE
 - BtoB対応・多店舗運営 → Makeshop
 
自社の事業規模と運用体制に合ったものを選びましょう。
10. 写真・素材を準備する
商品の魅力を最も左右するのは写真です。
 スマホ撮影でも構いませんが、「明るい自然光+背景統一」で見栄えが大きく変わります。
 商品画像・利用シーン・スタッフ紹介など、多めに準備しておきましょう。
ここまでの準備項目チェックリスト
| カテゴリ | チェック内容 | 
|---|---|
| 企画・戦略 | 目的、ターゲット、競合分析、サイトタイプ、ブランド方針 | 
| 設計・構築 | サイト構成、プラットフォーム選定、ページ設計、素材準備 | 
| 運用・販促 | 更新体制、SEO方針、SNS連携、顧客対応 | 
ここまでの準備が整えば、次は構築・運用に関する検討段階です。
各要素を決めながら、実際の運用を見据えて進めましょう。
11. ドメインとサーバーを決める
独自ドメインはブランドの信頼性を高める重要な要素です。
 「〇〇shop.jp」など、覚えやすく短いドメインを選びましょう。
 サーバーは表示速度と安定性がポイントです。月額1,000円〜3,000円のプランが一般的です。
12. 決済・配送方法を決める
購入完了までのスムーズな体験は、離脱率を大きく左右します。
クレジットカード、PayPay、銀行振込、コンビニ払いなど、多様な決済手段を用意するのが理想です。
配送は、ヤマト・佐川など主要業者と契約し、送料ポリシーを明確にしましょう。
13. セキュリティ対策を確認する
SSL化(https)は必須です。
 さらに、顧客情報の管理・パスワード強度・バックアップ体制も確認しておきましょう。
 クラウド型サービスなら、セキュリティ保守も自動で行われる場合が多いです。
14. SEOと広告の方針を立てる
構築段階からSEOを意識しておくと、後から修正する手間を減らせます。
主要キーワードを選定し、タイトル・説明文・URL設計に反映しましょう。
また、初期集客にはGoogle広告やSNS広告も効果的です。
15. SNS連携を設計する
Instagram・LINE・X(旧Twitter)など、どのSNSで発信するかを決めておくと、集客効率が高まります。
特にInstagramはECとの親和性が高く、商品タグ機能を活用すると直接購入につなげやすくなります。
16. 法務・規約関連を整備する
特定商取引法に基づく表記、プライバシーポリシー、利用規約、返品・交換ポリシーなどを整備しましょう。
トラブル防止だけでなく、顧客の信頼にもつながります。
17. テスト環境で動作確認する
本番公開前に必ずテスト注文を行いましょう。
決済が通るか、メールが届くか、スマホでも快適に操作できるかを確認します。
小さな不具合でも早めに修正しておくことが重要です。
18. 運用体制を決める
公開後は、商品登録・在庫管理・問い合わせ対応など日常業務が発生します。
誰がどの業務を担当するのか、社内体制を明確にしておきましょう。
19. アクセス解析の設定をする
Google Analytics 4(GA4)やSearch Consoleを導入し、流入経路や購入率を追えるようにします。
これにより「どのページが成果に繋がっているか」を定量的に判断できます。
20. 公開スケジュールと告知計画を立てる
サイト公開日をゴールに設定し、SNS・メール・広告などでの告知スケジュールを立てましょう。
 「公開=スタートライン」と意識して、初期アクセスを最大化する準備を整えます。

まとめ:ECサイト成功のカギは「準備の質」にあり
ECサイト構築は、スタート前の「準備」で成功が決まると言っても過言ではありません。
 今回ご紹介した20項目をひとつずつ整理しておくことで、ブレのないサイト設計とスムーズな運用が実現できます。
 自社のリソースや課題に合わせて、最適な構築プランを立てていきましょう。
もし「どのプラットフォームを選ぶべきか」「社内だけで進めるのが不安」と感じる場合は、専門チームに相談するのもおすすめです。
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まずはご相談いただき、現状を整理するところから始めてみてください。もちろん相談だけでも構いませんので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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